【2026年最新】年末調整の基礎控除申告書!書き方と所得計算を徹底解説
年末が近づくと勤務先から配布される年末調整の書類。その中でも多くの会社員やパート・アルバイトの方々を悩ませるのが、「基礎控除申告書」の記入欄です。「所得の見積額はどう計算するのか」「額面給与と所得の違いがよくわからない」とペンが止まってしまうケースは珍しくありません。
2026年現在の年末調整では、基礎控除・配偶者控除・所得金額調整控除が1枚の用紙に統合された様式が定着しています。書き方のコツと計算ルールさえ押さえれば、決して難しい手続きではありません。本稿では、損をせずスムーズに手続きを終えるための記入手順とポイントを詳しく解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:基礎控除申告書は原則として働くすべての人に提出義務があり、未提出だと基礎控除(最大48万円)が受けられず税負担が増加する。
- 要点2:計算の肝となるのは「収入(額面)」と「所得(給与所得控除後)」の区別であり、裏面の計算表を用いれば簡単に見積額を算出できる。
- 要点3:独身者は基礎控除枠のみ、配偶者がいる人や年収850万円超で子育て世帯などは該当枠を併せて埋めるだけで迷わず完了する。
【2026年最新】基礎控除申告書とは?1枚にまとまった「3つの申告書」の仕組み
職場で渡される横長の書類の正式名称は、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という非常に長いタイトルがついています。税制改正によって3つの申告書が1枚のペーパーに統合されたもので、現在の年末調整における標準フォーマットです。
用紙は大きく以下の3つのブロックに分かれています。
1つ目が左側の「給与所得者の基礎控除申告書」です。納税者本人の合計所得金額に応じて基礎控除額(最大48万円)を決定するための欄で、年収2,500万円以下のすべての給与所得者が記入対象となります。
2つ目が右上の「給与所得者の配偶者控除等申告書」です。配偶者がおり、本人および配偶者の所得が一定基準を満たす場合に控除を受けるために使用します。
3つ目が右下の「所得金額調整控除申告書」です。年収が850万円を超え、23歳未満の扶養親族がいる場合や、本人・家族が特別障害者である場合に、税負担を緩和するための控除を適用する欄です。
すべての欄を埋める必要はなく、自分自身が該当するブロックのみを記入するのが大原則です。
間違いゼロへ!「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」計算手順と収入・所得の違い
記入時に最も多くの人がつまずくのが、「収入と所得の違い」および「見積額の計算方法」です。ここを混同してしまうと、控除額の判定を誤る原因になります。
まず根本的な違いとして、「収入」は手取り額ではなく、社会保険料や税金が引かれる前の総支給額(額面年収)を指します。一方、「所得」は収入から必要経費に相当する給与所得控除を差し引いた後の金額です。
具体的な計算は、用紙の裏面に印刷されている「給与所得の金額の計算方法」という早見表を参照して進めます。主な年収帯における計算式は以下の通りです。
・給与収入が162万5,000円以下の場合:給与所得控除は一律55万円(給与所得 = 収入 - 55万円)
・給与収入が162万5,001円〜180万円の場合:収入 ÷ 4(千円未満切り捨て)× 2.8 - 10万円
・給与収入が180万1円〜360万円の場合:収入 ÷ 4(千円未満切り捨て)× 3.2 - 44万円
・給与収入が360万1円〜660万円の場合:収入 ÷ 4(千円未満切り捨て)× 3.6 - 116万円
・給与収入が660万1円〜850万円の場合:収入 × 10% + 110万円を収入から控除
たとえば、1月から12月までの見込み年収が400万円の会社員の場合、計算式に当てはめると給与所得控除額は124万円となり、「本年中の合計所得金額の見積額」は276万円と算出されます。
算出した所得金額を「本年中の合計所得金額の見積額」欄に記入し、下段の判定表で「900万円以下(A)」などの区分をチェックして基礎控除の額(48万円)を導き出します。副業収入や不動産所得などがある場合は、「給与所得以外の所得の合計額」欄にその見積額を合算して最終的な合計所得を導き出してください。
パターン別記入例|独身・共働き・パート・アルバイトの正しい書き方
ライフスタイルや働き方によって、書類への記入パターンは明確に分かれます。自身の状況に合わせて最適な書き方を確認しましょう。
【独身者の場合】
独身の方の記入は極めてシンプルです。記入が必要なのは「給与所得者の基礎控除申告書」のブロックのみとなります。給与収入の見積額と給与所得控除後の金額を計算して記入し、判定欄の区分(ほとんどのケースで「A」)にチェックを入れ、基礎控除の控除額の計算結果として「48万円」と記入します。右側の配偶者控除申告書および所得金額調整控除申告書は完全に空欄のままで構いません。
【パート・アルバイトの場合】
年収が103万円以下に収まるパート・アルバイトの方の場合、収入欄に「103万円」、所得欄に「48万円(103万円-55万円)」と記入します。判定は「900万円以下(A)」となり、基礎控除額は48万円です。これにより、自身の課税所得がゼロとなり所得税が発生しない仕組みになっています。
【共働き世帯の場合】
夫婦ともに正社員として働いており、配偶者の年収が201万6,000円(合計所得金額133万円)を超えている場合は、お互いに配偶者控除の対象外となります。そのため、夫婦それぞれが自身の職場で「基礎控除申告書」の部分のみを記入して提出します。
配偶者控除・所得金額調整控除との兼ね合いと記入の重要ポイント
配偶者を扶養している場合や年収の高い子育て世帯では、右側の各ブロックの記入が不可欠です。
「給与所得者の配偶者控除等申告書」を利用する場合、まず本人の合計所得金額の見積額に基づく「判定(A・B・C)」と、配偶者自身の合計所得金額に基づく「判定(①〜④)」の両方を算出します。申告書内にあるマトリクス表(控除額の計算表)を参照し、本人の区分と配偶者の区分が交差する位置にある控除額(最大38万円、配偶者特別控除の場合は最大38万円〜数万円)を導き出して記入します。
一方、右下の「所得金額調整控除申告書」は、本人の給与年収が850万円を超える場合のみが対象です。高所得層に対する増税措置のなかで、以下のいずれかに該当する世帯の負担を和らげるための救済制度となっています。
・本人が特別障害者に該当する
・同一生計配偶者または扶養親族が特別障害者である
・23歳未満(2003年1月2日以降生まれ等)の扶養親族がいる
該当する要件にチェックを入れ、対象となる親族の氏名や生年月日、続柄を記入することで、最大15万円の所得金額調整控除が受けられます。夫婦双方が年収850万円を超えており23歳未満の子どもがいる場合、夫婦の両方でこの控除を重複適用できるという点は見落としがちな重要ポイントです。
基礎控除申告書を提出しないとどうなる?損を避けるための必須知識
「手続きが面倒だから出さなくてもいいだろう」と申告書を放置してしまうと、深刻な経済的デメリットが発生します。
基礎控除申告書を提出しなかった場合、年末調整の計算において48万円の基礎控除が適用されません。その結果、本来支払う必要のない多額の所得税が12月の給与から源泉徴収(天引き)されてしまい、手取り額が大幅に減少します。
さらに、年末調整のデータは翌年度の住民税の算定根拠として各市区町村へ送付されます。基礎控除申告書を出していないと、住民税側の基礎控除(43万円)も適用から漏れるおそれがあり、翌年6月以降に納める住民税額まで跳ね上がってしまいます。
万が一職場への提出期限に遅れて年末調整に間に合わなかった場合は、翌年2月16日から3月15日までの期間に自身で確定申告を行う必要があります。確定申告を行えば過大に引かれた税金は還付されますが、申告書の作成や税務署への手続きなど余計な手間がかかるため、年末調整の段階で確実に提出しておくのが賢明です。
【年末調整 基礎控除申告書 書き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:12月までの年収が確定していませんが、見積額はどう書けばいいですか?
A1:10月や11月時点での給与明細をベースに、12月支給分の基本給や冬のボーナス(賞与)の見込み額を足し合わせた概算額で記入して問題ありません。多少のズレがあっても、判定区分(900万円以下など)の境界を跨がなければ最終的な税額に影響は出ません。もし大幅な変動があり区分が変わった場合は、会社側で年税額を最終確定する際に自動精算されるか、確定申告で修正が可能です。
Q2:年の途中で転職した場合は、前職の給与も含めて計算しますか?
A2:はい、前職の給与も含めて合算計算します。前職の源泉徴収票に記載されている「支払金額」と、現職での見込み給与を合算した総額を「給与所得の収入金額」に記入してください。なお、現職の年末調整で合算処理を行うためには、前職から発行された源泉徴収票の原本を会社に提出する必要があります。
Q3:副業で得た収入がある場合、この書類に記入する必要がありますか?
A3:副業による所得(原稿料、デザイン料、ウーバーイーツなどの雑所得や事業所得)がある場合、「給与所得以外の所得の合計額」欄に見積額を記入して合計所得を算出します。ただし、年末調整で副業分の精算がすべて完了するわけではありません。副業所得が年間20万円を超える場合は、年末調整とは別に翌年2〜3月の確定申告が必要となります。
まとめ:期限内の正しい提出で確実な節税と還付を受けよう
年末調整の基礎控除申告書は、一見すると複雑な数式や区分が並んでおり敬遠されがちですが、本質は「年間の収入見積額から給与所得控除を引いて所得を出す」というシンプルな作業です。
独身者であれば左側の基礎控除欄を数行埋めるだけで済み、配偶者控除や所得金額調整控除に該当する方も、要件を一つずつ確認しながらマトリクスに当てはめるだけで正確に作成できます。
基礎控除は、すべての働く人々に認められた最も基本的な税の軽減措置です。書類の提出を怠って余計な追徴課税を受けたり、確定申告の手間に追われたりすることのないよう、計算ルールを把握して期日までに確実に職場へ提出しましょう。 (出典: 年末調整 基礎控除申告書 書き方(Yahoo!ニュース))